PMOは人間であるべきか
- Masaki Kato
- 2024年11月29日
- 読了時間: 4分

「1日の大半が社内連携、作業の追っかけ、情報共有と認識合わせ、スケジュール更新、資料作りで終わってしまう…」
メーカー、コンサル、エージェンシー…様々な業界のプロフェッショナルと交流する中で、彼らの多くが日々の業務に追われ、本来の創造性を発揮しきれていない現状を目の当たりにしてきた。
近年では、こういったプレイヤーの作業負担を改善させるために、プロジェクトマネージャー的(以下PMO)な役割をチームに入れることが当たり前となっている。
そもそも、PMOは人間であるべきなのだろうか?
原因
現在のコミュニケーション業界において、作業が増えてしまう主な原因として以下が挙げられる。
メッセージングアプリの乱立: Email、LINE、Slack、Teams、ChatWorks…クライアントやパートナーによって異なるプラットフォームを使い分けることで、重要な情報が分散し 必要な時に必要な情報にアクセスできない状況に陥っている
情報共有の非効率性: 同じ情報を個別に伝達したり、せっかく共有した情報がチームメンバーに閲覧されなかったりと、情報の属人化が深刻化している
メッセージングアプリ等の連絡ツールが数多く登場し、各プロジェクトにおけるキャッチボールが増えているため、密に連携を取れているように見える。
しかし、リアリティとしては、ツールが多すぎて情報が散らばっていたり、連携が全く取れてないことが多いのだ。
だからこそ、PMOを担う人をチームに参加させることが一般化してきているのだが、PMO集中型プロジェクト体制の新たな落とし穴も考えられるのだ。
PMOの負担増加: 情報共有や進捗管理に追われ、本来の役割であるプロジェクトの活性化と環境づくりに注力できない。また、PMOは人であるため、対人コミュニケーションにおけるお伺い(年齢、パワーバランス、友好関係等)と政治等も発生し、情報入手において時間がかかるケースが多い
情報格差の発生: 情報を独占することで、PMOの地位向上へ繋がる可能性があり、チームワークを阻害する要因となる。アウトプットよりも、PMO担当者の立場と存続を優先させてしまう
リスク増加: PMO担当者が病気、休暇などがあった場合、情報不足によりプロジェクト進行に大きな支障をきたす
上記のようにPMOが人だからこそこれらの問題が発生しやすいのなら、人間がすべての情報管理を担うには限界があるのではないかと私は考えている。
もし、PMOがテクノロジー化され24時間体制でいかなる時でも対応できるようになれば、プレイヤーたちはどれだけ楽になり、本来の作業に集中し結果を出せるのだろうか?
解決案(WIP)
これまで挙げてきた原因の解決案として、「AIを用いた情報のマスター化とボットエージェントの導入」はどうだろうか。
この解決案に必要なのは、各プロジェクトにおいて日々の進捗を積みあげたデータの作成と、そのデータに基づいたAI活用だと考えている。
各プロジェクトにまつわる下記のような多角的な情報をマスターとして集約しておけば、AIボットを導入することも可能である。
過去の履歴(担当者のフィードバック、キャンペーンの結果、工程)
メールのやり取り
オンライン上にない情報やチームで話していた内容
ブランドガイドラインや商品情報
そして、情報をマスター化したうえでAIボットが導入されれば、下記のようなメリットが得られると考えられる。
誰でも必要な時にアクセスし効率的に情報共有できる
SlackやLine、Messengerなどプレイヤーが好きなチャンネルと連携できるようにすれば、アプリを使うハードルが下がる
人に聞きづらい質問も、AIボットなら気軽に聞ける(クライアントに聞きづらい初歩的な質問も)
会議で聞き逃した情報や過去の資料なども、AIボットに質問することで簡単に見つけることができる
AIボットにいつでも質問し必要な情報を引き出せれば、プロジェクトメンバーの作業負担を減らせるだけではなく、人間がPMO業務の全てを担わずに済むのではないだろうか。
現在でもASANAやMonday.comのようなコラボレーション管理のツールは世の中に沢山あり、これらのサービスはスケジューリングや進捗管理の可視化には役立つ。
しかし、プロジェクト全体の情報共有という課題は、根本的に解決できていないと思うのだ。
PMO業務の全てをアプリやAIに任せることはできないが、このようにナレッジベース化を進めボットエージェントを同時に活用すれば、最新の情報を追加・更新するだけでプレイヤーたちが良いアウトプット作るためだけに創造力を働かせることが可能になるだろう。
そんなサービス、あったらぜひ教えてほしい。
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