物事は計画通りにいくと失敗する
- masaki586
- 2024年11月29日
- 読了時間: 4分

多くの企業、特に日本では、スケジュール作成とプロセス遵守が美学とされていて、組織が大きくなるほどこの傾向は強まり、綿密なスケジュールと工程表の作成に固執する風潮がある。
私自身もかつてはその一人であった。
PMO=スケジュールと予算管理、そして工程管理が全てだと信じていたし、WBSを完璧にこなすことで計画通りにプロジェクトが進む様に喜びさえ感じていた。(今思うと、プロジェクトよりも自分自身のほうが主役になりたかったのかもしれない。)
ただ、こんな経験はないだろうか。
プロジェクトをスケジュール通りに進めたにも関わらず、集客や再生数、口コミがイマイチ伸びず、成果物に対する反応が芳しくなかったこと。
私は広告代理店において、このような経験をたくさんしてきた。
そんな中、数年前から俳優、アスリート、歌手といった方々との仕事を通して、彼らの「作品」や「パフォーマンス」に対するアプローチ方法を目の当たりにし、考え方が大きく変わったのだ。
今回は、自らの考え方を見つめ直すきっかけとなった、彼らのアプローチ方法についてシェアしたい。
ハイパフォーマーのアプローチ方法
私が携わっている俳優やアスリート、歌手たちは世界中を舞台に活躍しているが、彼らは仕事をこなす上でスケジュール軸で仕事をするという概念にとらわれていない。
これは、スケジュールに従わないとか好き勝手に仕事をするとか、そういうことではまるでなく、彼らは「Moment base (今ここ)」のマインドセットと、アウトプット(結果)重視を徹底し、スケジュールや工程をその通りにこなすことよりも、その瞬間瞬間のひらめきや集中力を最大限に活かして動き続けているのだ。
だが、このような彼らの仕事に対するアプローチ方法は、時に予定されていたものから外れてしまうことがある。
これらを、プロジェクト関係者たちは、「またコメントが変わった。」「前回承認したのに戻すのか」と、予定とは違う行動をストレートに捉え、時として「わがままだ」と感じてしまう場合もあるだろう。
しかし、本質は違うのである。
彼らの考えは変わっているのでなく、プロジェクトのアウトプットを向上させるために、常に「進化」し続けているのだ。
結果に向かって一瞬一瞬を濃密に過ごし、納得ができるまでやり抜くことに全力を注いでいるからこそ彼らの意見や考え、パフォーマンスは変化していくし、常に最高の状態を求めて行動しているからこそ「時間内に仕事を終える」という制約が時に窮屈に感じ、予定とは違う行動を生み出してしまう。
一見、計画から外れるこのアプローチ方法はプロとして良いものとは思えないかもしれない。(特に計画が全てと思っている人にとっては)
しかし、ハイパフォーマーと呼ばれる人たちは、私たちが考えているよりもはるかにアウトプットのために集中し、彼ら自身の時間を割いてまでも納得ができる結果を届けようと必死にもがいている。
だからこそ、より良いアウトプットを目指し続けるには、状況によって計画に遵守するアプローチを見直さなけらばならないのかもしれない。
計画だけが全てではない、瞬時に対応できる力を磨くべき
計画を立てることは、プロジェクトの目的や目標を明確化し道筋を具体的に考えることができるため、仕事をするうえでとても重要になるからだ。
しかし、計画通りに遂行することを重視しすぎたり変更がきかないプランニングは、人の本能が発揮されないリスクがあるうえに、目の前に落ちている大切なインスピレーションや変化、予期せぬアイデアの芽を摘んでしまう可能性も考えられる。
そして、もしも計画を立てることが絶対に必要であるのであれば、一緒に働くチームメンバーそれぞれに、インタビューすることがベストである。
なぜなら、アウトプットに対して、彼らがどのように実行するのか、彼らは夜型なのか朝型なのか、一人で考えているのが好きか、それともグループが好きなのか…など、インタビューをすることでよりチームパフォーマンスを配慮したスケジュールを引けるから。
時には計画なしで進めてみて、「圧倒的な瞬間対応力」を磨くことも忘れないでおきたい。
そうすれば、想定外な状況において、より面白かったり、効果的なアウトプット・パフォーマンスが生まれるだろう。
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